HERALBONY STANCE FILM #スタンスを着る
「おしゃれな人」ってどんな人のことを言うのだろう。
わたしたちは「おしゃれ」の定義を、単に見た目の美しさだけではなく、自分の中に軸となる価値観や精神性があり、それを客観的に見つめ、理解し、自分らしく表現できていることだと考えました。
HERALBONYを選ぶということは、“わたしが大切にしている何か”を語るということ。
これは、HERALBONYが贈る新感覚のスタイリング企画。モデル、スタイリスト、アーティスト――ファッションの最前線を行くあの人が、HERALBONYをまとい「自分のスタンス」を表現します。
第三回に登場したのは、数々の人気ドラマに出演し、世界からも注目を集める俳優の桜田通さん。instagramのフォロワーは130万人を超え、その影響力がファッションやコスメ、スキンケア業界などでも高く評価され、有名メゾンをはじめ、様々なクリエイターやファッション感度の高い若者から支持を集めています。
作家・中尾涼「タイトル不明」のシルクスカーフに、ライトグレーのセットアップスーツでHERALBONY LABORATORY GINZAに現れた桜田さん。ご自身の大切にされているスタンスや、桜田さんが考える「本当のおしゃれ」とは?
色をまとう楽しさを知って。
ーー今日はスタイリングに、作家・中尾涼のシルクスカーフ「タイトル不明」をお選びいただきました。着用してみて率直な感想をお聞かせください。
桜田:実は今日、2つのスカーフアイテムのどちらにしようか、すごく迷ったんです。一つはモノトーン調のアートで、もしプライベートで身につけるとなると、そちらの方が普段の自分の感覚にはフィットするのかなと思っていました。でも今日は、ただの自己満足ではなく、何かの意思表示だったり、今日の自分が表現したいことはなんだろう?を考えて、中尾涼さんのシルクスカーフ「タイトル不明」を選んでみました。
それにこのアートのオレンジ色は、暖かくも強いパワーを感じる色味ですよね。自分は今日という一日をどういう日にしたいかな?ってときに、このアートのように明るく、幸せで、平和な時間を過ごしたいなって。
ーー普段はどんなスタイリングを?
桜田:普段は、プライベート時間とお仕事の時間でスタイルを分けています。昔はモノトーンが好きで、今も私服は黒ばかりです。20代の頃は、仕事でも黒を選ぶことが多かったのですが、今は普段からお世話になっているスタイリストさんやデザイナーさんと出会い、ファッションショーを観る機会も増えて、色をまとう楽しさを知りました。自分のマインドや意識の変化を感じるようになってからは、仕事では黒以外のものも着たいと思うようになりましたね。
柄ものや色ものって一見使いづらく思われるかもしれないですが、今日のスタイリングのようにワンポイントに取り入れるなら使いやすいですよね。全身黒やグレーにオレンジ色のスカーフを巻いたり、腰やバッグにつけてみたり。そういう楽しみ方を最近はするようになりました。
2次元の先にある “奥行き”を楽しむ。
ーーへラルボニーを知ったきっかけについて教えてください。
桜田:実はちゃんと認識したのは最近なんです。先日、フランス・パリにある世界最大級のスタートアップ支援施設「STATION F」を訪問する機会をいただき、 そこでオフィスを構えていらっしゃるヘラルボニーヨーロッパの皆さんから、直接お話を伺いました。
そのとき、航空会社のアメニティポーチやホテルの内装、ボールペンなど。気づかないうちに世の中で出会っていたものが「実はこれもヘラルボニーだったんだ!」と後から気づいて。
最初は「オシャレでかわいらしいファッションアイテムを扱っているブランド」という印象だったのですが、改めてパリでヘラルボニーの皆さんのお話しを伺い、作家のアート作品というものを軸にしてファッションに昇華しているということを知りました。
ーーヘラルボニーのアートへはどんな感想をもたれましたか?
桜田:その作家のバックボーンを知らなくても、直感的に魅力的に感じる作品が多いですよね。僕はアートを見るとき、2次元的に楽しめるものと、奥行きを楽しめるものがあると思っていて。ヘラルボニーのアートは「どうやって描いているんだろう?」とか「なぜこの色なんだろう?」とか気になって聞きたくなることが多い。奥行きの情報が直接的に2次元の魅力につながっていると思うんです。
例えば中尾涼さんのアートだったら「なぜ“14”までの数字が書かれているんだろう?」と気になる。そこから会話が生まれたり、自分で調べたくなったりする。そういう奥行きが楽しめる作品が揃っているなと思います。
【動画】中尾 涼 Ryo Nakao | 筆は駆け、刻み、重なる。現れる力強いグラフィック作品
ヘラルボニーは障害のある方のアート作品を扱っていますが、僕自身は「障害のある人」「ない人」として分けて考えたことがあまりなくて。これまで友人や仕事で出会った方の中で障害のある方はもちろんいらっしゃいましたが、自分も自身もこだわりがある分生きにくいと感じることがある。その生きづらさが、心や感情に表れるか、身体に表れるか、それだけの違いで、多様な人が存在しているだけ。僕はそんなふうに考えています。
自分の欲求に、耳を傾ける。
ーーご自身が普段から大切にされている「スタンス」について教えてください。
桜田:これは聞きようによってはわがままなように聞こえるかもしれませんが、「自分がやりたいことをやること」を大事にしています。10代からこの仕事をしてきて、もちろん良いこともたくさんありましたが、悔しい思いをしたこともあります。何かを手に入れることもあれば、失うこともあって。そんな中で「自分はどうしたいのか?」という自分自身の欲求に耳を傾けること、自分で自分の人生を選択していくことの重要性を強く感じるようになりました。他者の欲求に応えるために生きてしまうと、結局後悔が残ったり、人のせいにしてしまうんじゃないかと思うんですよね。
僕の周りには素敵な人たちで溢れている分、「なんで自分自身はこうじゃないんだろう」とか「僕ももっとこういうふうに生まれてきたら良かったのに」って思う時期が正直あったんです。でも、どんなに羨ましがっても自分を完全に変えることは難しい。いまの自分を受け入れて、ともに過ごす周りの人たちがどうしたら明るく幸せに生きていけるのかを考える。その上で自分がやりたいことをやるというスタンスを大事にしています。
ーーそのような考えに至ったのはなぜでしょう?
桜田:20歳の頃、留学先のイギリスで『死ぬ瞬間の5つの後悔(著者:著者:ブロニー・ウェア)』という本を読んだ影響も大きかったかもしれません。余命を宣告された人たちの「死の間際の後悔」が綴られていて。将来、自分もそうなる可能性がある。だったら今できることを精一杯やらなきゃと強く思いました。
小さい頃は消極的な性格でした。今もそういうところはあります。MBTI(※世界45カ国以上で活用されている国際規格に基づいた性格検査)でも受ける時の心理状態によって内向的と外交的を行き来することも。一人で漫画や本、映像を見る時間も好きだけど、人と話す時間も好きなんです。
僕は、1人でいる時間があるからこそ、外での時間が輝くと思っていて。たくさんの人に出会う中で、「明日も会える」と思った人に会えなくなるという経験をしたこともあって、その時すごく後悔したんですよね。失いたくないものを失ったとき、人生ってやっぱり一度きりしかないんだなって改めて気付かされました。それが僕が「やりたいことをやる」というスタンスに至った理由です。
“おしゃれ”とは「ぼんやりと生きていないこと」
ーー桜田さんの考える「おしゃれな人」ってどんな人ですか?
桜田:自分が考える「おしゃれな人」は、自分の考えを持っている人だと思っています。「何でそれを身につけるのか?」という理由を聞いたときに、何か答えが返ってきたり、その人なりの思想や価値観が見えると、「この人はおしゃれだな」と思いますね。
「おしゃれ」って洋服のことだけじゃないと思っていて。そういう人って話をしていても面白いんですよ。なんていうか、“ぼんやりと生きていない人”なのかもしれないです。洋服やスタイルって、その人が普段どう生きているか?っていうのが滲み出ていると思うんですよね。
そういう意味で、ヘラルボニーのアイテムがそうであるように「意思や思想をまとう」という感覚、僕はすごく好きです。アートを家に飾るのって、場所も限られていて少しハードルが高いと思うんですけど、こういうスカーフだったりTシャツだったり小物だったり、自分が「好き」と思った感覚や、自分と同じ思いを持っている作家の意思をまとうって、とても素敵なことですよね。これからもヘラルボニーで多くの作家さんやアートと出会えるのが楽しみです。
世界の進歩と平和のためにできること
ーー今後挑戦してみたいことはありますか?
桜田:僕は、様々な業界の人がジャンルを超えて交流し、新しい化学反応を起こす橋渡しのような存在になれたらと思っています。このお仕事をしていると普段から素晴らしい考えを持つ人たちと出会うのですが、なぜか違う業界、違う場所に存在している。同じ感覚を持っているのに、なぜ出会えないんだろう?と思うことがあります。
たとえば、先日は脳波の研究をしている教授の方にお会いする機会があったのですが、脳波を調べることでその人がどの瞬間に興味やリラックス、ストレスを感じているか分かるらしいんですね。それを聞いたとき、アートを描くことよりもクレヨンを使い切ることに喜びを感じるヘラルボニーのアーティストさんの話を思い出したんです。僕自身も最近漫画を描いたりするのですが、何度も鉛筆を削っているうちに、尖らせることが楽しくなっちゃうみたいな感覚になることがあって。そんな人間の生まれながらにして持っている喜びの感覚や探究心などについて知ることで、ヘラルボニーのアートの魅力の本質に近づけるかもしれないと思ったんです。
このように、まったく違う場所にいる人たちが出会い、意見交換をしたり、一緒にひとつのものを作ったりすることで、もっと世の中が平和になったり、進歩したりするのではないか、と。そしてもし僕にもできることがあればそこに一緒にいて、その新しい化学反応を身近で見れるような日を過ごしたいなと思っています。知ることって、とても楽しいことですから。
桜田通さん着用アイテム/ 作家紹介
滋賀県にある福祉施設『やまなみ工房』に在籍する作家・中尾涼(Ryo Nakao)は、英字や数字の作品を多く描いています。作品を描くときは一切の迷いや躊躇は無く、あっという間に描き終え、勢いや力強さが書体にも表れています。
>> 中尾涼(Ryo Nakao)|アイテム一覧
作家の筆使いを忠実に再現したスカーフは、シルク素材100%。88cm×88cmという大判サイズで、さまざまなスタイルをお楽しみいただけます。
>> アイテムはこちら
◎その他衣装提供ブランド:ADDIXY
・ジャケット ¥61,600(税込)
・Tシャツ ¥19,600(税込)
・パンツ ¥39,600(税込)
※その他スタイリスト私物
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mail:info@theinc-pr.com
▼Stylist
柴田 圭
Profile
桜田通(さくらだ・どおり)
1991年12月7日生まれ。東京都出身。2005年のドラマ「瑠璃の島」にて映像デビュー。ミュージカル版「テニスの王子様」の主人公・越前リョーマ役に抜擢(2006年~2007年) されて以降、様々な話題作に出演。ドラマ「コーヒー & バニラ」や、世界的に人気の高いNetflix「今際の国のアリス」シリーズへの出演をきっかけに、グローバルを視野にいれた活動に注力。その他最近の主な出演作は、ドラマ「海老だって鯛が釣りたい」、「さっちゃん、僕は。」、「けむたい姉とずるい妹」、「クールドジ男子」、映画「大名倒産」、Prime Video「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」など。数々のドラマや映画に出演する傍ら、自身の SNS での影響力がファッションやコスメティック、スキンケア業界などで高く評価され、有名メゾンをはじめ、様々なクリエイターやファッション感度の高い若者から大きな支持を得ている。並行して音楽活動も行っており、2023年にポニーキャニオンが運営するearly Reflectionの新レーベル“Pandrec”より楽曲「MIRAI」でメジャーデビュー。2024年夏には新曲「I'm on way」を配信リリースし、全国11都市を巡るライブハウスツアーを開催した。