あにお天湯(あにお・たゆ)/ Tayu Anio



濱中 鮎子 / Ayuko Hamanaka



川田 真之介 / Shinnosuke Kawada



Interview about your
“Unframed Self”
PEOPLE
06
あにお天湯(あにお・たゆ)/ Tayu Anio
Model / Artist
2000年生まれ。ミスiDコンテスト”サバイバル賞”受賞をきっかけにグラビアデビュー。以後、数々の雑誌でのグラビア、アパレルブランドのモデルを務め、2023年には写真家・松岡一哲の撮影による写真集『月刊 あにお天湯』でヌードを披露し話題を集める。エロスのための被写体を超えたアートとしてのグラビアを目指し、あえて脇毛を生やしてカラーリングするなど、ファッションやメイクでも独自の感性を貫く姿勢に同性ファンも多い。2024年からはアーティスト活動も始め、ドローイングとキャンバス作品による個展を3度開催。2025年の個展では自身初のアートzine『るみなす』を限定発売した。最新デジタル写真集『たゆた湯』発売中。

枠にとらわれない生き方をする上で、大切にしていることは?
自分の気持ちに素直でいたいし、人と違うことを“間違い”だと思わないようにしています。
毎日好きな色を身につけることで、枠にとらわれず、私らしく生きることができるんです。例えば、過去に脇毛を生やしてピンクに染めたことがあるんですけど、私はグラビアアイドルなので、普通なら非難されたり驚かれると思っていました。
でも実際には、たくさんの人が「かわいい」と受け入れてくれて。そのままグラビアも続けさせてもらえて、あの時に“自分らしさ”を強く実感しました。
毎日好きな色を身につけることで、枠にとらわれず、私らしく生きることができるんです。例えば、過去に脇毛を生やしてピンクに染めたことがあるんですけど、私はグラビアアイドルなので、普通なら非難されたり驚かれると思っていました。
でも実際には、たくさんの人が「かわいい」と受け入れてくれて。そのままグラビアも続けさせてもらえて、あの時に“自分らしさ”を強く実感しました。
絵を描くことはご自身にとってどんな”表現”の手段ですか?
私の頭の中はいつも騒がしく、周りの状況や人もめまぐるしく変化し続けています。でも、絵を描いているときだけは、静かで落ち着いた空気を生み出せる。その空気を自分の手でつくれることが、心の安らぎや安心につながっていて、私にとっての癒しです。
クリエイティビティの源は、夢の断片や植物、空気から自然に生まれる鮮やかな色、動物の不思議な動きなど。物心つく前から絵を描くことや色彩が大好きで、小学生の頃には特に補色が好きだと気づき、学級新聞に書いた記憶があります。
クリエイティビティの源は、夢の断片や植物、空気から自然に生まれる鮮やかな色、動物の不思議な動きなど。物心つく前から絵を描くことや色彩が大好きで、小学生の頃には特に補色が好きだと気づき、学級新聞に書いた記憶があります。
作家・水上詩楽さんのスカーフ「タイトル不明」や作家さんの描く姿を見て、どんな感想をもちましたか?
私が選んだスカーフは、やわらかな黄緑とオレンジに、降り注いだり跳ねているようにも見える鮮やかな点が描かれていて、眺めているだけで楽しくなります。
詩楽さんは、その点を一本の棒で一つひとつ打っているのですが、その集中力はまるで宇宙のようで、その中に独特のリズムが流れているようにも感じられるんです。見ていると音まで聞こえてくるようで…。さらに、このスカーフは向きを変えるだけで印象がガラリと変わるので、その日の気分に合わせて、さまざまな楽しみ方ができると思いました。
詩楽さんは、その点を一本の棒で一つひとつ打っているのですが、その集中力はまるで宇宙のようで、その中に独特のリズムが流れているようにも感じられるんです。見ていると音まで聞こえてくるようで…。さらに、このスカーフは向きを変えるだけで印象がガラリと変わるので、その日の気分に合わせて、さまざまな楽しみ方ができると思いました。
PEOPLE
07
濱中 鮎子 / Ayuko Hamanaka
Brand Director
@ayukohamanaka / @uhruhruhr
熊本県出身。東京の大学を卒業後、新卒でセレクトショップに入社。販売、プレス、ディレクターを務めたあとに独立し、2018年春夏シーズンより〈ウーア〉を立ち上げる。時代のムードを反映しつつも大人のチャーミングさがちりばめられたコレクションライン、さらには自身のスタイルに不可欠なアイテムを集めた〈ウーア エッセンシャルズ〉も展開。ここ数年は、売り上げの一部を女性の支援団体に寄付するプロジェクト「Uhr Friendship Peojects」をスタート。二児の母となり、〈ウーア〉のキッズラインも展開している。

自分のブランドを始めてみて、働き方や生き方にどんな変化がありましたか?
ブランドを立ち上げたきっかけは、30代半ばに“消費するファッション”に少し疲れてしまい、自分と仕事との間にギャップを感じるようになったことでした。そこで会社を辞めて、気づけば自分のブランドを始めていたんです(笑)。
「やりたいことを自分の意思で選べばいい」と思えた瞬間、肩の荷が下りてすごく楽になりました。
今は毎日が楽しくて、正直、仕事のストレスはほとんどありません。自分たちに責任があるからこそ、辞めたいと思えば辞められる。その自由さがあるから、嫌になることもないんですよ。
「やりたいことを自分の意思で選べばいい」と思えた瞬間、肩の荷が下りてすごく楽になりました。
今は毎日が楽しくて、正直、仕事のストレスはほとんどありません。自分たちに責任があるからこそ、辞めたいと思えば辞められる。その自由さがあるから、嫌になることもないんですよ。
モノづくりのアイデアや感性の源は?
今は子育てが大変で、なかなかインプットする時間が取れないので、「そろそろ旅に出たいな」と思うこともあります。でも実際のものづくりは、その日の気分や着心地を大切にしています。
生地を見てから想像を膨らませることもあって、トレンドに縛られず、自由に作っている感覚ですね。深く考えすぎるのではなく、自分のクローゼットに「次は何を足したいかな」という気持ちで向き合う。だから出来上がったアイテムや撮影した写真を見て、後から「あ、今の自分の気分ってこうなんだ」と気づくことが多いんです。
生地を見てから想像を膨らませることもあって、トレンドに縛られず、自由に作っている感覚ですね。深く考えすぎるのではなく、自分のクローゼットに「次は何を足したいかな」という気持ちで向き合う。だから出来上がったアイテムや撮影した写真を見て、後から「あ、今の自分の気分ってこうなんだ」と気づくことが多いんです。
ファッションは濱中さんにとってどんな”表現”の手段ですか?
私にとってファッションは「一番身近で自然とそばにあるもの」です。
暮らしの一部だから、嫌になることもなければ離れることもない。もし嫌になったとしても手放せばいいし、純粋に好きなものを作ればいい。その“おおらかさ”こそ、ファッションの魅力だと思います。
そもそも好きになったきっかけは、幼い頃から服を選ぶのが楽しかったこと。10代になると流行はめぐってくるので、母のクローゼットを漁ったり、服好きの兄の影響を受けたりしながら自然と夢中になっていきました。
暮らしの一部だから、嫌になることもなければ離れることもない。もし嫌になったとしても手放せばいいし、純粋に好きなものを作ればいい。その“おおらかさ”こそ、ファッションの魅力だと思います。
そもそも好きになったきっかけは、幼い頃から服を選ぶのが楽しかったこと。10代になると流行はめぐってくるので、母のクローゼットを漁ったり、服好きの兄の影響を受けたりしながら自然と夢中になっていきました。
PEOPLE
08
川田 真之介 / Shinnosuke Kawada
Product Plannner @cityboi_shinn
1997年生まれ。メンズシャツメーカーにて商品企画や生産管理を担当。コアなトラッドアイテムをモダンに取り入れる独自のスタイルに定評があり、スタイリングを自身のインスタグラムで日々発信。ファンとの交流も積極的に行っている。

今日のスタイリングのポイントについて教えてください。
デニムのセットアップに合わせるなら、グリーンやブルーのスカーフがアクセントになると思って選びました。
作家・Thorsten Raabさんのスカーフ「untitled」を手に取ったときは、発色の鮮やかさに驚きましたし、巻いてみると想像以上にどんなコーディネートにも自然に馴染むんですよね。今日は“アメカジ ”をテーマに、カウボーイ巻きでアレンジしてみました。
秋冬は総柄のストールを首元に巻くことも多いので、スカーフは自分にとって馴染みのあるアイテムです。以前はスーツに合わせることが多かったのですが、最近はあえてスウェットやラグランコートのようなカジュアルなアイテムに、品のあるシルクのスカーフを合わせるスタイリングを楽しんでいます。
作家・Thorsten Raabさんのスカーフ「untitled」を手に取ったときは、発色の鮮やかさに驚きましたし、巻いてみると想像以上にどんなコーディネートにも自然に馴染むんですよね。今日は“アメカジ ”をテーマに、カウボーイ巻きでアレンジしてみました。
秋冬は総柄のストールを首元に巻くことも多いので、スカーフは自分にとって馴染みのあるアイテムです。以前はスーツに合わせることが多かったのですが、最近はあえてスウェットやラグランコートのようなカジュアルなアイテムに、品のあるシルクのスカーフを合わせるスタイリングを楽しんでいます。
「自分の感性」に目覚めたタイミングはいつですか?
母がアパレルで働いていたこともあって、小学生の頃から服や色の組み合わせについて話を聞かされていました。中学生になると先輩からファッションを教えてもらい、そこから一気にのめり込んでいきましたね。
アメリカの短大では、音楽カルチャーやファッションに関する授業を受け、R&Bやソウル、ジャズを深く学びました。特に、ブルースの時代にスーツをバシッと着こなしながらギターを奏でるミュージシャンたちの姿に影響を受けました。今でも彼らのようなミュージシャンのスタイルが、自分の大きなインスピレーション源になっています。
アメリカの短大では、音楽カルチャーやファッションに関する授業を受け、R&Bやソウル、ジャズを深く学びました。特に、ブルースの時代にスーツをバシッと着こなしながらギターを奏でるミュージシャンたちの姿に影響を受けました。今でも彼らのようなミュージシャンのスタイルが、自分の大きなインスピレーション源になっています。
ファッションは川田さんにとってどんな”表現”の手段ですか?
ファッションは、自分にとって人と人を繋ぐツールだと思っています。
スーツじゃないと交われない場所や人もありますし、ジャケットやスーツを着ていれば、カジュアルでもドレッシーでも対等に関われる。そこがファッションの魅力ですね。
ただ、何かに固執することなく、ジャンルレスに楽しむようにしています。ドレススタイルだけでなく、カジュアルやストリートも自由に取り入れるし、レディース誌も読みます。僕にとってスタイリングは、人生を少し豊かにしてくれる、そして最も大きな自己表現の手段なんです。
スーツじゃないと交われない場所や人もありますし、ジャケットやスーツを着ていれば、カジュアルでもドレッシーでも対等に関われる。そこがファッションの魅力ですね。
ただ、何かに固執することなく、ジャンルレスに楽しむようにしています。ドレススタイルだけでなく、カジュアルやストリートも自由に取り入れるし、レディース誌も読みます。僕にとってスタイリングは、人生を少し豊かにしてくれる、そして最も大きな自己表現の手段なんです。
|Credit
Photography: Mai Kise
Interview: Chiho Hashimoto
Direction : Aya Satake

“ Unframed Self ” Vol.1
Vol.1には、自身のファッションセンスにも定評のある人気モデルの竹下玲奈と、ファッションスタイリストやDJとして多彩に活躍するHARUが登場。

“ Unframed Self ” Vol.2
Vol.2には、モデルとして活躍しながらアパレルブランドのPRも務める相川茉穂。シンプルでありながら女性らしいエレガンスを纏うスタイリングに定評のあるスタイリスト・亘つぐみ。そして、唯一無二の感性で表現を続けるマルチクリエイター・mabanuaが登場。

シルクスカーフ「untitled」
¥24,200(税込)
Thorsten Raab
(Die Shlumper)
1974年生まれ。ドイツ・ハンブルクを拠点に活動し、2009年よりアーティスト・コレクティブ(多様な背景をもつアーティストによる共同制作グループ)「Die Schlumper」に参加。創作の原点は音楽だが、その後、絵画へと活動の軸を移す。バスキアやキース・ヘリングをはじめ、1970〜80年代のブラックミュージックやアートから強い影響を受けている。アナログレコードのコレクターでもあり、友人らとともにDJとして活動することもある。 素材や色彩を用いた実験的なアプローチを重ねるうちに、ラーブは独自の「ヒーロー」キャラクターを生み出した。作品に繰り返し登場するそのキャラクターは、毎回異なる表情を覗かせる。鮮やかな色使いと幾重にも塗り重ねられた厚みのある筆致で画面全体に広がるその世界は、自由奔放で、時にカオスすら感じさせる。 「Die Schlumper」は、1980年代にハンブルクでアーティスト、ロルフ・ラウテ(1940–2013)によって設立された、さまざまな障害のあるアーティストのためのスタジオコレクティブである。