『混ざり合う夜』の裏側で、担当者が考え続けたこと《HERALBONY CLUBイベントレポート》
こんばんは。今夜は、いつものMarieに代わって、HERALBONY CLUBを担当している大屋(おおや)が筆を取らせていただきます。
それぞれの物語が混ざり合った、 銀座の夜。 6月26日(金)、HERALBONY LABORATORY GINZAにて、HERALBONY CLUBの交流会「異彩のテーブル」Vol.1を開催しました。
本日はその様子をお伝えしながら、運営の中で私が感じた「葛藤」と、今後HERALBONY CLUBが目指していきたい姿についてお話をします。きれいに整理しきれていない部分もあるのですが、いつも応援してくださる皆さまに、迷いも含めてそのまま正直にお伝えしてみることにしました。
少しだけ、お付き合いいただけたら嬉しいです。
「語り合い、混ざり合う」
そんな空間の裏側で
軽食を交えながら、語り合い、混ざり合う時間。たくさんのご応募の中から当選された約30名の皆さまとスタッフとで、ひとつのテーブルを囲みました。
普段みなさまをお通しすることができない特別な会議室にて、この日のためにキュレーションした原画もご用意。一点一点を代表の松田崇弥がご紹介した「即興アートクルーズ」では、みなさまから時折感嘆の声も漏れ聞こえてきました。
ご参加のお客様から、原画をご購入くださった背景ストーリーや、HERALBONYへの想いをご紹介いただけた場面も。ある方は、以前ご家族の葛藤があった中訪れたISAI PARKで、やさしいお食事の味にほっとして、緊張していた体調が和らいだというお話をご共有くださりました。また別の方のエピソードでは、ダウン症のあるお子さんの将来を案じていた折り、カーラジオから流れてきた「ヘラルボニー」という名前を忘れないように、念仏のように唱えながら運転されたそうです。その名が、お子さんとご家族にとっての希望の光に思えた——そんなお話に、会場も思わず涙しました。
「語り合い、混ざり合う。」まさにそのコンセプトが実現した空間でした。
ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
けれど、その裏側で。 「公平」とは何かを、 私はずっと考えていました。 ここからが、今日筆を取った理由です。
平等か。公平か。
HERALBONY CLUBのイベントでは、これまであえて、ご応募の時点で障害の有無をお伺いしてきませんでした。当選倍率が高いなかで、できる限り公正に抽選したい。「障害の有無で当落が決まっている」と、誰にも思ってほしくなかったからです。だからお名前とご連絡先だけをいただき、当選が決まったあとで、安心してご参加いただくために必要なことやサポートのご希望を個別にお伺いする、という形をとっていました。
そして今回の銀座のイベントでは、当選後に「ご家族の帯同をご希望される方」が、想像以上に多くいらっしゃいました。これはとても嬉しいことです。HERALBONYのイベントであれば、さまざまな事情、ご希望があっても参加できると期待してくださった方がたくさんいらっしゃったのだと思います。

しかし、席数には限りがあります。落選された方がいらっしゃるなかで、ご帯同のご希望すべてに「どうぞ」とお答えすることは、できませんでした。障害のある方、小さなお子様といったアクセシビリティの観点から付き添いが必要な方を優先することとなり、そうでないご家族のご参加希望を、心苦しくもお断りをせざるを得ない場面もありました。
——では、「公平」とは何だろう。
障害のない方が「家族と一緒に参加したい」と願う気持ちも、痛いほどわかります。けれど席数の制約のなかで線を引くと、今度はその線そのものが、誰かを区切ってしまう。日々、答えのないことばかりです。本当に、学びの連続でした。
思い出した、 ひとつの「忘れられない時間」。 迷いのなかで、私はある参加者の方のお声を思い出しました。
「誰もが異彩を放てる場」とは
4月11日、盛岡のISAI PARKで開催した、HERALBONY CLUBのオープン記念ディナーイベントでのこと。ろうの方がいらっしゃったテーブルで、ご一緒した他の参加者の方々の満足度が、とても高かったのです。同じテーブルには、小学校時代に手話を習った方や、手話の表を持ってきてくださった方もいて、手話通訳の方にも入っていただき、当事者の方からも手話を教えていただきながら、筆談やジェスチャーも交えて、言葉を超えたやりとりが生まれていました。
そのテーブルにご参加されたある方は、こんな風に振り返ってくださいました。
「同じ座席に手話話者の方がいることについて、参加前は少し緊張していた部分もありました。でも当日のその体験によって、まさにHERALBONYを体現するような、“異なること”で特別な体験が生み出される瞬間に立ち会えた。より印象的で、忘れられない時間になりました。」

そして、以前のメルマガでもお伝えした、あるお子さんのこと。ご自身の描いた絵を「みんなにも見せたいけれど勇気がない」と本音をぽろり。「大丈夫、みんなにも一緒に見せに行こうよ」と背中を押すと、会場のあちこちで、あたたかく純粋なリスペクトを持ったやりとりが生まれ、最後はその子が自分から、堂々とたくさんの方に絵を披露してくれました。「普段は全然こんな風じゃないんですよ」と、お母さまも驚きお喜びのご様子でした。
気兼ねなく自分の異彩を放てる。そしてそれを、リスペクトを持って受け取ってくれる人がいる。障害のある方も、そうでない方も。どんな個性や事情の持ち主も、当たり前に混ざり合い、共存している——その姿こそが、私たちHERALBONYが生み出したい場所そのものです。
だとすれば。もし偶然の抽選の結果として、せっかくご応募くださった障害のある方が、お一人も当選しないということが起きてしまったら。それは逆に、いちばんHERALBONYらしくないことなのかもしれない。普段、他のイベントや場に参加しづらい方がいるのであれば、HERALBONYのイベントこそはそういった方々に積極的にご参加いただくべきなのではないか。そう思い至りました。
だからこそ、ひとつの「宣言」を。 迷いながらも、私たちはこう考えました。
これまでは当選後に個別に伺っていたご希望を、これからのHERALBONY CLUBのイベントでは、応募の時点でお伺いします。そうすることで、アクセシビリティのサポートや心の後押しを必要とする方が抽選の段階から参加しやすくなる、歓迎されていると思える席づくりを目指します。場合によっては、そうした方を少し優先してしまうこともあるかもしれません。すべてのご要望に100%お応えすることが難しいこともあるのかもしれません。でも、ご応募くださった方と一緒に、良い形を少しずつ模索していきたいです。
「障害の有無は当落に関係ない」という思いと、「誰もが参加しやすい場をひらきたい」という思い。その両方を、どうすれば誠実に両立できるのか。具体的な運営の方法は、これからも社内外の声を丁寧に集めながら、慎重に考えていきます。
正直に申し上げて、正解にすぐ辿り着けるとは思っていません。だからこそ、皆さまのお力をお借りしたいのです。
この方針について、あるいは「こんな配慮があると参加しやすい」「私はこう感じる」といったお声があれば、ぜひ末尾のアンケートからお聞かせください。皆さまと一緒に、この場をより良いものにしていけたら、これ以上に嬉しいことはありません。

次回は盛岡へ。
「異彩のテーブル」Vol.2を開催
そんな「異彩のテーブル」、次回は盛岡で開催します。
語り合い、混ざり合う時間を、HERALBONYの原点であるこの街で。ヘラルボニーへの想いを持つ皆さまと、直接言葉を交わせる機会を、心より楽しみにしています。今回は代表取締役 Co-CEO松田文登が参加予定です。
日程:2026年7月25日(土)19:30〜21:30
会場:HERALBONY ISAI PARK(盛岡)
締切:2026年7月12日(日)23:59
対象:ステージ♡♡♡以上の方が対象となります。
費用:無料 ドリンクと軽食をご用意いたします。
※抽選結果のお知らせは当選者の方のみ、13日(月)を予定しております。
※抽選時点で♡♡♡にランクアップ相当のご購入履歴がある方も対象となります。
HERALBONY CLUBアプリの「アクション」一覧よりお申し込みいただけます。また、開催にあたってのご希望やご意見も、本メール末尾のアンケートからぜひお寄せください。
皆さまのご応募を、心よりお待ちしております。

HERALBONY CLUBアプリに 「還元」機能が加わりました
もうひとつ、HERALBONY CLUBアプリの新機能についてお知らせです。
このたび、アプリに新しく「還元」機能が加わりました。その第一弾として、貯まった独自マイレージ「BONY」を、HERALBONYの活動に対して還元していただけるようになりました。
還元いただいたBONYは、HERALBONY CLUBの運営や、作家を応援する活動に活かされていきます。「還元」のアクションには、1BONYからご参加いただけます。今後は、還元できる先も少しずつ増やしていく予定です。
最後に。 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
いつもとは違う、少し不格好で、正直なお便りになってしまったかもしれません。それでも、まだ形になりきっていない私たちの迷いや、その途中にある想いまで、皆さまと分かち合えたなら——そう願って、今夜は筆を取りました。
障害のある方も、そうでない方も。どんな個性や事情の持ち主も、当たり前に混ざり合える場所を。私たちはこれからも、皆さまと一緒につくっていきます。
よろしければ、ぜひご意見をお聞かせください。皆さまの声が、これからのHERALBONY CLUBを形づくっていきます。
HERALBONY CLUB担当 大屋

